『世界子ども花火の日』プロジェクト キックオフ座談会を行いました!

いつも『子どもの未来を応援するプロジェクト』の活動を応援いただきありがとうございます。

4月某日、『世界子ども花火の日』プロジェクトのキックオフ座談会を行いました。
※このプロジェクトの詳しい経緯については、こちら(2025年4月25日配信)をご覧ください。
花火イベントプロデューサーである株式会社イ・デ・ヤの井出様と花火写真家である金武写真事務所の金武様、当法人代表理事の石岡での座談会となります。お時間がございましたら是非ご覧ください。

石岡:
初めまして。 一般社会法人RINGO NO TANEの代表理事の石岡と申します。
まずは、RINGO NO TANEの紹介をさせていただきます。
RINGO NO TANEは、子どもたちは生まれる場所を選べないというところで、生まれた段階で格差が出てしまうので、そこを少しでも埋めることができればという思いの中で始まりました。
グループ会社で飲食店をやっているものですから、「子どもの未来を応援するプロジェクト」として、まずは食を通して支援ができないかというところからスタートさせていただきました。
そこで最初(2021年)は、板橋区議さんの紹介で、(グループ会社の)飲食店のある板橋区内の子ども食堂のお手伝いから始めました。
一概に我々がというわけではないんですけども、その当初、板橋区内には7店舗ぐらいしかなかった子ども食堂が、現在(2024年時点で)は70店舗ほどに広がったとのことで、区議さんから「RINGO NO TANEさんのおかげで、区長を巻き込んでここまで大きくすることができました」というありがたいお言葉をいただいている次第であります。
その後、教育格差・体験格差解消に向けての取り組みも始めたいと考えまして、教育支援やイベント開催などのお手伝い、2023年11月からはRINGO NO TANE主催の子ども食堂を新宿区でやっています。
今回のこの「世界子どもの日」というのは、11月20日にあるんですけれども、それは日本ではあまり知られていません。
この日に何か、毎年できるイベントを開催したいと考えていた時に、打ち上げ花火を見る機会がありまして、「この花火を子どもたちにも見せてあげたい」という思いから、今回の「世界子ども花火の日」プロジェクトを立ち上げました。
花火のプロのお二人に、実現に向けてのお話を是非伺えればと思いますので、よろしくお願いします。

井出さん:
今日はお呼びいただいてありがとうございます。
井出直美といいます。
花火のイベントのプロデュースという仕事をしております。
何でこんな仕事をするようになったかというと、26歳くらいの時に仕事を辞めてプラプラしていたら、ある人から「広告代理店で人を探しているから、そこへ行って働け」と言われて行ったところが花火の仕事だったんですよ。
35年くらい前に、東京の晴海で「東京湾大華火祭」という、当時は東京で唯一、尺玉が上がる花火大会をやっていたんですね。そこに2年目・3年目・4年目と携わって、その後は全然違う仕事をしていたんです。
2017年かな。当時の上司だった人と当時一緒に花火を上げていた花火屋さんから連絡が来て、「東京でオリンピックをやるの知っているよな?俺たちはあそこで花火を上げるんだ」ということで、2017年からオリンピックまでの、1年伸びたから5年間ですね。全国各地を回って、色々な認知活動をやって、最終的にオリンピックの時にルーフトップから花火を上げられました、めでたしめでたしというようなことをやっていました。そんな経緯でございます。
で、オリンピックが終わって、これからどうしようっていう時に、そこでできたネットワークを使って自分で仕事ができないかと模索しているうちに金武さんと出会って…。
私は打ち上げ花火しか頭の中になかったんですけど、(金武さんは)「おもちゃ花火※の可能性ってもっとあるよね。」とおもちゃの花火にすごくフォーカスされていたんですよ。※市販の花火のこと
で、色んなことを話したりお手伝いしているうちに、面白いことができてきたという感じです。

金武さん:
始めまして。金武武と申します。
花火写真家という仕事をさせていただいております。
井出さんと知り合ったおかげで、僕の活動もワーッと広がってきましたし、すごく仲間ができたと思います。
僕が花火と出会ったのは、17歳の時。
「花火大会があるよ」ということで、同級生と一緒に山下公園に行ったら、細長い公園に人がぎゅうぎゅう詰めになっているんですよ。
「暑くていやだな、帰ろうかな」と思った時に、ドーンと目の前に一発の花火が上がって、体が揺れたんですね。
大きくて華やかで綺麗で、一発の花火を40万人の人たちが同時に見ている。そして、あっという間に消えていく。その儚さと感動と驚きとショックで、花火に魅了されてしまったんですね。そこから僕の花火を追っかける人生が始まったんです。
当時はまだそんなに花火大会に行くことはなかったんですけども、横浜の花火大会の時には、父からカメラを借りて写真を撮りに行くということから始まって、それを仕事にしました。
やり始めて確か43年ぐらい経ちました。
色の変わり方、形、演出方法、僕は日本の花火は世界一だなと堂々と言えるなと思うんです。
日本の打ち上げ花火は素晴らしいのがいっぱいあるんだけども、実はおもちゃ花火も素晴らしかったんです。おもちゃ花火と大きい枠で言ってしまうんだけども、線香花火、手持ち花火、地面に置いてシューッと上がるドラゴン花火。
おもちゃの打ち上げ花火がこれがかなり迫力がありまして、火をつけてドーンと打ち上がると、高さ20メートルぐらいまで上がっていく。おもちゃ花火だと、保安距離が非常に近いですから、5メートルから10メートルぐらいのところで見れるんですね。でもその花火、今この日本国内で、特に都内なんかでは遊べる機会がだいぶ少なくなりました。
手持ち花火をやっていると、僕は気づいたことがあって、人と人とが仲良くなるんだなと。線香花火なんかは風が吹いていると、火が消えちゃいますから、しゃがんでみんなで近づくんです。そこで会話が始まる。おもちゃ花火はね、人と人を仲良くする道具だと僕は感じるんです。
おもちゃ花火・打ち上げ花火を子どもの時に見ると、大人になっても覚えてるんですよ。それは記憶に必ず刻まれます。
僕がやってるおもちゃ花火は、手持ち花火だけじゃなくて、打ち上げ花火・噴出花火・連発花火を組み合わせて、まるで打ち上げ花火のスターマインのように見ていただく。それを写真に撮っていただいて楽しんでいただくということをやっております。
こちら(「世界子ども花火の日」プロジェクト)の資料を読ませていただいた時に僕が気づいたことがあって、おもちゃ花火のイベントをたびたびやってるんだけども、児童養護施設の子どもたちに見てほしいということ。色々話を聞いてみると、(そこには)花火を見たことがないという子どもがいっぱいいる。それを聞いた時に泣きそうになるんです。
何とか子どもたちに花火を、何とかいい思い出を残してあげたいなという気持ちがあって、河原で毎年1回か2回、(児童養護施設の子どもたち向けの)花火イベントをやってます。

石岡:
先ほどお話した子ども食堂とは別に、板橋区が運営しているんですけれども、 適応指導教室という、不登校のお子さんたちが自主的に通う学校があるんですね。そこでは給食が出ないので、我々の方でランチ会という形で月に一度ご飯を提供しておりまして、そこは学校なので、当然校庭もついています。そこで、「世界子どもの日花火プロジェクト」に向けて、場所をお借りできないかという交渉を今しているところになります。
ゆくゆくは、全国各地で11月20日の「世界子どもの日」にこの花火イベントを同時開催するという仕組みを作りたいと思っているのですが、実際に(校庭などで)花火をやるとして、どうすれば良いか、どんな形でできるかというようなところをお聞きしたいなと思います。

井出さん:
そうですね。おもちゃ花火とはいえ、結構やっぱり音は凄くするはずなんですよ。
打ち上げ花火の時っていうのは、火薬の量によって(消防署への)申請の種類がいくつかあるんですね。おもちゃ花火って火薬の量がそんなにないので、許可申請が必要なところまではいかないはずなんです。だから、「こういう形でやろうと思います」っていうのを一回出してみると、そのまま受理してくれればいいし、だめなら持って帰ってきて、何かやり直すとかね。そこは臨機応変にという感じですね。

金武さん:
手持ち花火と打ち上げ花火を数えると、3000本とかいくんですね。数を言うとやっぱり消防が驚いちゃうんで。
ご近所から何か通報が来た時にすぐに答えられるようにしたいので、特にその申請はいらないけども、説明できるんで(お話はしておいた方が良いと思います)。

井出さん:
あともう一つ大事なのは、町内からきちんと発表を出すこと。これが一番大事。

金武さん:
(板橋フレンドセンターの)地図を見ると、校庭の周りには住宅がいっぱいありますから、一件一件尋ね歩いた方がいいかなとも思いました。
(開始)時間は、もし手持ち花火をやるんであれば、日没時間。日没時間はまだ空が明るいんですけど、手持ち花火はすごく明るいんですよ。肉眼でしっかり見えますよね。

井出さん:
写真を撮った時にね、その方が全然綺麗だし。

金武さん:
そう、スマートフォンでも写真は撮れますね、その時間であれば。で、20分経つと暗くなります。そうすると、その後のおもちゃ花火のスターマインだったら最高にいい感じになると思います。
(実施)時間は、手持ち花火とスターマインでだいたい1時間くらいですかね。

石岡:
(以前に小学校で花火イベントをやられたと聞きましたが、)実際どういう案内で人が集まってくるんですか?

金武さん:
小学校では、PTAとかPTAの母体から枝分かれした親父の会というのがあるんですね。そこが主体になって子どもたちに連絡して。事前申し込みいただいて、事前にお金をいただいて。そんな感じでやっております。

石岡:
それで1時間経ったらパッて解散っていう感じでみんな帰る感じですかね?

金武さん:
終わったらすぐに解散になります。

井出さん:
その後、清掃をしないといけない。

金武さん:
片付け、清掃は結構時間がかかりますね。
当日の花火の準備も、6時間くらいは必要かなと思うんです。

井出さん:
おもちゃの花火をショーにするって、まだあんまりみんなやってないから、花火屋でもできない。そういうきちんとした資材とかないからね。(スターマインなどを設置する台は)ダンボールを長く切って、ガムテープで貼って、(風で倒れないように)固定してみたいなことを全部手でやっているんですよ。

石岡:
だから6時間も掛かるんですね。

金武さん:
その前に僕は、自宅で1週間半くらいかけて組み立てをして、当日持って行って、また設置で6時間くらいかけてやっております。
僕は今もう自分でできる範囲の資材がいっぱいあるから、それを利用して次回はできると思うんですけど、これを各地でやるとなったら、(資材は)売ってないから作らなきゃいけない。それをどうするかは今後の相談。

井出さん:
今年の11月20日は板橋一箇所だから(いいけども)、来年、再来年って続いていくと広がっていくからね。

金武さん:
あとは、それを応援してくれる、自分も参加したいっていう、20代から40代くらいの人が欲しいです。スタッフにやっていただいてる内容としては、車の管理、駐車場とかトイレ、食事、あとは全体の監督。点火、火がついてるところを消火する人、片付ける人、次の花火を用意する人。司会と参加する子どもたちの誘導も必要。そんな感じですね。

井出さん:
やっぱり火の管理がね、10人ぐらいいないと怖いよね。

金武さん:
あと、開催日を決めたら予備日も決めといたらよろしいと思います。おもちゃ花火は、打ち上げ花火よりも雨にも風にも弱いんですね。ですから天候もよく注意して見ておいて、風が強いって分かったら早めに中止ということをした方がいいと思います。

石岡:
なるほど。皆さんの経験だったり知恵だったり、たくさんの方の協力があって開催に至っているんですね。とても参考になりました。
RINGO NO TANEは、子ども食堂だけが仕事ではないので、もしその養護施設で横展開できるのであれば、無理に「世界子どもの日」だけじゃなくて、定期的に全国でうまくできたら良いかなと思いました。
まずは、今年の開催に向けてこれからもご協力いただければと思いますので、是非ともよろしくお願いします!

井出さん:
よろしくお願いします!

金武さん:
よろしくお願いします!

左から、株式会社イ・デ・ヤ 井出様、当法人代表理事 石岡、金武写真事務所 金武様

まずは、本年11月の開催実現に向けて、ご協力いただける方を募りながら進めてまいります!
『世界子ども花火の日』プロジェクトの経過についてはまたご報告させていただきますので、皆様にも応援いただけますと幸いです。

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